アシステッドハッチング
胚(細胞質)の周りにある透明帯(卵の殻のような部分)をレーザーで照射し、穴をあけて孵化の手助けをする方法のことです。
胚(受精卵)は胚盤胞まで発育すると、着床前に透明帯から孵化します。
孵化できない胚は子宮に着床することができません。
孵化できない原因として、透明帯の硬化が一つに考えられます。
透明帯の硬化は、年齢の因子、また、胚の凍結操作によって起こるとの報告がされています。
適応:透明帯硬化が見受けられる方
高齢の方
凍結胚移植を行う方
費用:3,000円(保険診療)
11,000円(税込)
高濃度ヒアルロン酸含有培養液
この培養液は、胚の子宮内膜への着床をサポートする成分であるヒアルロン酸を添加した培養液です。胚と子宮内膜をくっつける“糊”のような役割をします。
こちらを胚移植に使用することによって妊娠率や着床率の改善、また流産率の低下が報告されています。
子宮内膜と胚自体はそれぞれ表面に特別な分子があります。
ヒアルロン酸はこれらの分子に結合し、胚と子宮をつなぐ架け橋のような役割があるとされています。着床をサポートするために、自然妊娠に近い条件で移植をすることができます。
着床率の増加、流産率の低下が報告されています。
適応:着床不全
流産の経験がある方
費用:3,000円(保険診療)
自費診療の方は胚移植の費用に含まれております。
カルシウムイオノフォア
卵子は精子と受精をする際、カルシウムイオンの増加により受精が行われます。
カルシウムイオノフォアとは卵子活性化を助ける働きがある培養液です。
体外受精、顕微授精をしても受精が成立しない原因の一つに、卵子活性化障害があります。
卵子活性化とは、受精過程で精子と卵子が融合すると、精子の働きかけにより、卵子内にカルシウムイオンが増加することがすることにより起こる反応です。
によりその後の様々な受精過程が進行します。
このカルシウムイオンの増加反応が不十分と考えられる卵子活性化障害の場合にはカルシウムイオノフォアを使用することにより、卵子活性化を手助けすることができます。
この方法は顕微授精を行っても受精が成立しない場合に適応となります。
適応:完全受精障害
費用:3,000円(保険診療)
22,000円(自費診療・税込)
保険適用外の治療
サイトカイン含有培養液
流産が起こる原因の一つとして、受精卵と母体の情報伝達物質で免疫応答に関するサイトカイン(細胞活性因子)の欠乏やバランスの変化が挙げられます。
サイトカインとは、蛋白質のシグナル伝達物質で、卵胞発育、胚代謝の促進、胚盤胞発生の促進、細胞増殖の促進、アポトーシスの減少、胎児の成長促進と生存、妊孕性などの機能があります。通常、妊娠中にサイトカインの発現量が増加しますが、流産を繰り返されている方は、このシステムが正常に働かずに、サイトカイン濃度が低い、または発現異常が起こりやすいと報告されています。
サイトカイン含有培養液を使用してサイトカイン濃度のバランスを整えることによって、化学妊娠後、臨床妊娠後の反復流産の改善が期待できます。
適応:化学妊娠,臨床妊娠後の流産を繰り返してしまう方
着床失敗を繰り返す方
原因不明の流産を繰り返す方
費用:ST培養液 11,000円(税込)
胚移植用 22,000円(税込)
ペントキシフィリン~精子活性化~
非運動生存精子を活性化させ、生存しているけど動いていないような精子に運動性を待たせることが出来る培養液です。
精子は運動性を持っていなくても、生存していることがあります。
顕微授精を施行する際、運動精子が少ない状態から正常良好精子を選ぶのは数が絞られてしまう事があります。
ペントキシフィリンを使用することによって、非運動生存精子を活性化させ、運動性を持たせることができます。
それにより、動いていなかった生存正常形態精子からも選ぶことが可能となるので、より正常な形態の精子を選ぶ幅が広がり、選択することが出来ます。
射出精子に運動性が見られない、また精巣内精子に対して使用することにより、精子細胞内に作用し、精子運動能力の活性化が期待できます。
精子活性化には個人差があります。
また手技の適応は顕微授精となります。
適応:精子無力症
費用:11,000円(税込)
ST法
融解胚移植周期に子宮内膜が胚を受け入れやすくなるように、通常の培養液を子宮内に注入し子宮内膜を刺激する方法の一つです。
融解胚移植周期に、培養液を子宮内膜に入れ、子宮内膜に培養液の成分等で刺激を与え、子宮内膜の状態を整えることを目的とします。融解胚移植を行う際の子宮内膜刺激の一つです。
費用:11,000円(税込)
スクラッチ法
融解胚移植周期に子宮内膜が胚を受け入れやすくするように、ブラシのようなもので子宮内膜を少し擦ることで、内膜の修復する力を使って、胚を着床しやすくすることを目的とします。
擦って刺激を与えることで、内膜が修復する過程でインターロイキン等のサイトカインを分泌し、胚を着床しやすくすることを目的とします。
胚が着床する環境でも、同じ因子が分泌されることが報告されており、着床の促進と免疫応答の正常化の期待ができます。
融解胚移植を行う際の子宮内膜刺激の一つです。
費用:5,500円(税込)

