このコーナーでは診療中もしくはEメールで寄せられたご質問に対してDr.IKENAGAが明解に
   お答えします。

2004.5.27 更新

Q)私は不妊治療を始めたばかりですが、今度「子宮卵管造影検査」を受けるようにといわれました。
  痛みを伴う検査だと聞きましたが、どうしても必要なのでしょうか?


A)はい。稀に痛みを感じる人もいますがそれ以上にメリットの大きい検査です。
  始めにこの検査の概要をお話しましょう。
  目的は以下の三つの状態を映像によって把握することです。
   ・子宮内部、ポリープ・筋腫等の有無
   ・子宮の奇形の有無
   ・卵管の通過性
  方法は、まずバルーンカテーテルと呼ばれる器具を子宮に挿入します。
  次にバルーンを膨らませて子宮の入り口を閉じます。カテーテルの先から造影剤(油状の無色無臭で
  無害な液体)を注入します。
  正常ならば造影剤は子宮から卵管を通って卵管の先端にたどり着き、腹腔内へと流れる様子が確認できます。
  異常があった場合は、その位置や状態がわかります。
  ご質問の「痛み」は、バルーンを膨らませる際、子宮に圧力がかかることによって起こる生理痛のような鈍い
  痛みです。
  普段の生理痛が重い人ほどこの痛みは少ないようです。
  当院では10人のうちおよそ7〜8人が全く痛くない。2〜3人が多少痛い。稀にとても痛い、という割合です。
  造影剤を流したことによる痛みがとても痛いという人には、たいてい卵管に異常があります。
  他にも同じ目的の通水法、通気法等がありますが、いずれも映像が撮れない為に情報量が極端に違います。
  子宮卵管造影法の最大のメリットは、検査でありながら治療効果も大きいこと。
  造影剤の注入で卵管の通りがよくなるため検査後半年以内に2割近くの患者さんが自然妊娠しています(当院
  データ)。
  費用は約5千円。所要時間も5分程で、負担の少ない検査です。
  風説に惑わされず、医師に何でも相談し信頼関係を築いていきましょう。



2002.8.14更新

Q) はじめまして。私は26歳の専業主婦です。
  お互い子供が早く欲しいと思っている私たち夫婦は、去年6月の結婚を期にすぐに子作りに
  専念していたのですが、1年経とうとしている今も恵まれません。
  産婦人系のHPなどを見ると、不妊と考えるのは結婚後2,3年からだというところが多いようなので、
  もしかして気が早すぎるのかとも考えますが、毎月毎月月経が来てしまうと、とてもがっかりして
  不安になります。
  産婦人科には一度も訪れたことがないので、こういう不安を取り除いてくれる、検査を是非受けたいと
  思いますが、具体的にどんな検査を受けるのかも知りたいです。
  どうぞ宜しくお願い致します。

A)正常な夫婦生活があれば、1年以内に80%のカップルが、また2年以内に90%のカップルが妊娠する
  と言われています。ですから、昔から結婚後2年以上経過しても妊娠しない場合、不妊症としていました。
  しかし米国では、1年妊娠しないと不妊症としており、最近は日本でも新しい考え方の
  ドクターは1年以内に妊娠しないと不妊症の検査を積極的に勧めています。
  実際、最近は1年で妊娠しないと相談にみえるケースが多くなってきました。
  まず検査するなら、月経が開始してから9日目前後に採血によるホルモンチェックを行います。その後、
  排卵日が近づいたら、超音波検査による卵胞のモニターリングを行い、排卵日を予想します。
  そして予想された日に夫婦生活をして、その後高温期に超音波検査で排卵の確認をします。
  (実は高温期になっても排卵しないこともある)これが所謂タイミング法です。
  その間、ご主人の精液検査を行い、数と運動率に問題がないかチェックします。
  (不妊症の約半数は男性側にも問題があります。)
  もし、妊娠せず月経が発来したら、月経終了後に子宮卵管造影を行い、卵管の通過性をチェックします。
  初めに行う検査はこんな具合ですが、順序にこだわる必要はありません。
  要するに生理中でなければいつでもOKです。
  女性の場合、特に35歳を越えると妊娠できる能力が急激に衰え、不妊の原因のない人でも
  妊娠しずらくなります。思い立った時が行動を起こす時です。その勇気がなかなか湧かなかったために、
  もう少し治療を早く始めていればなあと感じることも多々あります。
  早めにご相談に来ていただいた方が功を奏すると思います。

2001.10.11更新

Q) こんにちは。はじめまして。33才の専業主婦です。
  検査についての質問をさせてください。
  今年2月から子宮内膜症の様子を見ながら、一連の不妊検査をした結果、人工授精を勧められました。
  ただ、その病院は人工授精から先のステップアップはなく、担当の先生もよく変わるので不妊専門への
  転院を考えていた所、某不妊サイトでそちらの病院を知りました。
  質問は、そちらに転院した場合、卵管造影や、内膜検査などをまた行うのでしょうか。
  3月にこれらの検査をしたばかりなので、できれば省略したいのですが・・・
  また、2回のフーナーで子宮に精子がみつからなかったにもかかわらず、まだ自然妊娠の希望も持って
  いるのですが人工授精へ進む前にタイミング指導も行っていますか?
  どうぞよろしくお願いいたします。


A) もちろん、最近施行した検査結果は治療に役立てて行きます。そのため、可能なら施行した検査結果を
  頂いてきてください。(前医院に言い出しにくかったらもらわなくても結構です。)
  問診には時間をかけて、直接院長がお尋ねいたします。その際、今後の治療計画についてのご相談を
  お受けいたしますので、遠慮なくご希望をお聞かせください。
  勿論、自然に妊娠できるのが一番ですから、最初はタイミング法から入ります。しかし、漫然と同じことを
  繰り返すのではなく、6ヶ月を目安に結果が出ない時は、ご相談の上、治療レベルをステップアップして
  いきます。 

2001.6.21更新

Q) 以前、某クリニックで1回体外受精をしました。受精はしましたが、卵がしんでしまい、
  戻しはできませんでした。
  もう一度トライしたいのですが、働いているため、某クリニックは遠いこと、待たされることがネックです。
  そんな仕事なんてとお叱りを受けそうですが、それをおろそかにするわけにもいきません。
  体外受精をする時の通院回数等を教えて下さい。

A)最近は通院される女性の半数以上の方はお仕事をもっておられ、その両立に悩んでおられる方が
  多いようです。
  当院ではお仕事を続けながら、体外受精・顕微受精を実施できる採卵日固定日法を採用しています。
  これはいつ採卵を行うか先にスケジュールを組んでしまうやり方で80%の方はこの方法で予定通り治療を
  受けることができます。その要点を以下に説明します。
  
  1)まず何月に体外受精・顕微受精を実施するか決めます。
  2)その前月の排卵日頃に来院し、スプレキュアー(点鼻薬1日3回)を処方してもらい、高温期3日目から
    開始します。
  3)月経が発来したら来院し、都合のいい採卵日を決めます。(土、日に組むこともできます。)
  4)採卵予定日の10日前から排卵誘発剤(hMG)を開始します。原則として連日7日間うちます。この際、
    職場やご自宅に近い産婦人科や会社の医務室などで代わりにうってもらうこともできます。
  5)排卵誘発剤を7日間うち終わったら、翌日当院で卵胞の発育度をチェックします。
  6)OKならその日の晩(20:00〜21:00位)に決めた時間に注射(hCG)をうちます。
    (スプレキュアーはこの日終了します。)
  7)hCGをうった2日後の朝(8:00〜9:00位)に当院で採卵します。(ご主人はこの日のみの
    来院でOKです。)昼頃、診察してOKならそのまま退院となります。
  8)胚移植は採卵日の2〜5日後に行います。これも予め決めておきます。
    
    以上最低限の通院回数は治療の約1ヶ月の期間中2)3)5)6)7)8)の6回です。
    私は過去に現役のJALの客室乗務員をなさっている患者さんが仕事をしながらその合間をぬって、
    この方法を用いて体外受精を実施し、1回で成功させた経験があります。
    あなたもきっと仕事をなさりながらの治療が可能だと思います。

2001.5.7初回

Q) 私は体外受精を3度実施し、良好胚を3回移植をしているにもかかわらず妊娠しません。
   私の子宮に問題があるのでしょうか。また、体外受精は妊娠しても流産が多いと聞きますが、
   本当なのでしょうか。

A) おそらくそうではないと思います。受精卵の良否は一般に分割状態が良好なものから順に
  グレード1〜5に分類されます。
  しかしながら、これは人を外見で区別しているようなもので、外見は良くても中身のない人がいるように
  グレードが良くても、染色体レベルでは異常をもつ卵は報告により30%以上あると言われており、
  大学病院時代の研究グループのデータでも同じような結果が出ています。
  グレード2以上でも妊娠しなかった場合は、胞胚期移植をお勧めします。
  胞胚期まで培養するには授精させてから5日かかります。実際10個程度の受精卵を
  5日間培養してもそのうち胞胚まで達するのはせいぜい2〜3個でそれ以外の受精卵は移植しても
  子宮内で発育を停止し、妊娠は成立しないのです。
  また逆にグレード2は発育がストップし、グレード3が胞胚まで発育するという逆転現象もありえます。
  染色体異常をもつ受精卵はたとえ妊娠しても、途中で発育を停止し流産となります。
  これは自然妊娠でも30%くらい起きると言われており、体外受精でその割合が増すわけではありません。
  体外受精の場合、早い段階で妊娠をチェックするため早期流産を発見しやすいため流産が多い
  印象を受けるということなのです。

      
採卵から2日後に移植される受精卵(4細胞期)      採卵から5日間培養された胚盤胞(胞胚期)

  誠に残念ですが、最近Eメールからコンピューターウィルスが送られてくるケースが
  多発しており、質問のメールされた方にも、ご迷惑がかかる恐れが出てきたため、
  万全なセキュリティ
ーシステムが確立されるまで、しばらくメールによる質問を
  休止させていただきます。